最近の大幅な円安の流れを受けて、久しぶりにFXの人気が高まっていますね。
先週はついに節目となる1米ドル=100円を突破し、さらにFXが盛り上がっていきそうです。
そうした相場の好転や、FX人気の再燃を受けて、これまた盛り上がってきているのがFX取引の自主規制ルールです。
FXの規制といえば、レバレッジを最大25倍まで引き下げたレバレッジ規制が有名ですが、つい先日も、新しいFX取引の形態として市民権を得つつある「バイナリーオプション」で、予測期間を最短でも2時間以上とする、という自主規制案が固まりました。
投資という観点からはより健全と言えるのかもしれませんが、結果が分かるまで2時間以上待つというのはちょっと中途半端ですね。
そもそも、投資と投機に明確な差などありません。レバレッジが50倍はダメだけれど25倍ならOKというものでもありませんし、仮にレバレッジが1倍であってもリスクがあります。短期売買=投機も十分可能です。
結局のところ、こうした投資というのは自己責任であるという覚悟と気構えが、金融庁・利用者双方に必要ですね。規制で固めたところでリスクがゼロになることはありません。
株式はレバレッジが基本的には1倍ですが、大損する人は多いわけで、やはり仕組みの問題ではないことが分かります。
加えて、では日本に投機性の強いギャンブルが全く認められていないかと言うとそんなことはありません。むしろ競馬にせよ、競艇にせよ、競輪にせよ、宝くじにせよ、公的機関によって積極的に運営されています。
FXはダメで、競馬なら良い、という理由などどこにもありませんね。そうした意味でもやはり過度なFX規制は問題の本質を見誤っているのではないかと思います。
しかし。
そうしたFXの規制の中でも、利用者にとって歓迎すべき規制が1つあります。それは不透明な価格形成、いわゆるスリッページ=滑りの自主規制ですね。
滑りに関しては、一部の会社が常に顧客に不利に、つまり自社に有利な価格で成立させているという疑惑があります。もしこうした価格操作が横行しているのであれば、スプレッド表示など全く意味がなくなり、誇大広告どころか、金融詐欺に近い状況と言えます。
一方で、一般消費者がこうした悪質なレート操作の実態を客観的に把握することは極めて困難ですね。そういう意味ではこの悪質な「滑り」に対する自主規制は大歓迎です。
そもそも金融庁は、レバレッジの多寡に目くじらを立てるのではなく、このレート操作の取り締まりを最優先するべきなのではないでしょうか?一般消費者と違い、監督官庁であれば客観的なチェックは容易でしょうし。
今後、FX取引の透明性が高まり、みんなが安心して取引できるような環境が作られることを期待したいと思います。